さるのこしかけ(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
猿の大将と少年の不思議な演習
- 幻想
- 風刺
- 文字数
- 4,037字
- 読了目安
- 約8分
- 表記
- 新字新仮名
- 舞台
- 岩手県
この作品について
宮沢賢治の短編童話。栗の木に生えた「さるのこしかけ」にひょっこり現れた小猿の大将に誘われ、少年楢夫が栗の木の中の階段をかけのぼって種山ヶ原へ出る。小猿たちの軍隊ごっこの滑稽さと、少年のとまどいが明るい調子で描かれる。
あらすじ
夕方、楢夫は栗の木の幹に白いきのこが三つできているのを見つけ、「さるのこしかけ」だと独りごとを言うと、きのこの上に小猿が三匹現れて腰かけた。まん中は軍服を着た大将である。大将は楢夫に、いい所へ連れて行こうと誘い、栗の木の根もとの入口から、電燈のともる長いはしご段を、小猿たちと駆けのぼる。息を切らして飛び出した先は、昼の種山ヶ原の草原だった。小猿たちは演習を始め、参観者の楢夫に号令をかけさせるが、突然「突貫」と叫んで楢夫を縛りあげ、胴上げを始める。林より高く放り上げられ、落とされかけたとき、山男の大きな手が楢夫を受け留める。気がつくと楢夫は家の前の栗の木の下にいて、母が夕飯に呼んでいた。
登場人物
- 楢夫 栗の木の下で小猿に出会う少年
- 小猿の大将 軍服を着た小さな猿。六十歳の陸軍大将だと名乗る
- 山男 落ちる楢夫を受け留める
冒頭部(原文より)
楢夫は夕方、裏の大きな栗の木の下に行きました。その幹の、丁度楢夫の目位高い所に、白いきのこが三つできていました。まん中のは大きく、両がわの二つはずっと小さく、そして少し低いのでした。 楢夫は、じっとそれを眺めて、ひとりごとを言いました。
「さるのこしかけ」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
「ああ山男だ。助かった。」と楢夫は思いました。そして、楢夫は、忽ち山男の手で受け留められて、草原におろされました。その草原は楢夫のうちの前の草原でした。栗の木があって、たしかに三つの猿のこしかけがついていました。そして誰も居ません。もう夜です。 「楢夫。ごはんです。楢夫。」とうちの中でお母さんが叫んでいます。
「さるのこしかけ」宮沢賢治(青空文庫)
原文を読む
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