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北守将軍と三人兄弟の医者(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物

馬から降りられない将軍

  • 幻想
  • 風刺

宮沢賢治 

文字数
10,242字
読了目安
約20分
表記
新字旧仮名

この作品について

宮沢賢治の童話。長年国境の砂漠を守り、馬から降りられなくなった北守将軍ソンバーユーが、都の三人兄弟の医者を順に訪ね、体を治してもらう。滑稽な診察と、勲功をおごらず去る将軍の姿が語られる。賢治の童話の中では長めの一編。

あらすじ

ラユーの都に、人の医者リンパー、馬や羊の医者リンプー、草木の医者リンポーの三兄弟がいた。ある朝、北の砂漠から三十年ぶりに北守将軍ソンバーユーと九万の兵が戻ってくるが、将軍は馬から降りられなくなり、鞍も背中もくっついていた。迎えの大臣は将軍の様子を謀反と誤解して帰ってしまう。将軍は馬のまま三人の病院を順に訪ね、リンパーに砂漠の疲れ、リンプーに馬の鞍、リンポーに顔の毛を治してもらう。体が軽くなった将軍は兵のもとへ戻り、王に迎えられて、大将たちの大将になるよう言われる。しかし将軍は、生きた骨のような役立たずだと辞退し、後任の大将四人と、リン兄弟三人を国の医者に推薦して、故郷の山の麓へ戻った。粟を播いたが食べなくなり、やがてどこにも姿が見えなくなる。人々は将軍が仙人になったと言ってお堂を建てたが、リンパー先生は、きっとどこかにお骨があるにちがいないと言う。

登場人物

冒頭部(原文より)

 むかしラユーといふ首都に、兄弟三人の医者がゐた。いちばん上のリンパーは、普通の人の医者だつた。その弟のリンプーは、馬や羊の医者だつた。いちばん末のリンポーは、草だの木だのの医者だつた。そして兄弟三人は、町のいちばん南にあたる、黄いろな崖のとつぱなへ、青い瓦の病院を、三つならべて建ててゐて、てんでに白や朱の旗を、風にぱたぱた云はせてゐた。

「北守将軍と三人兄弟の医者」宮沢賢治(青空文庫)

末尾部(原文より)

 けれどもこのとき国手になつた例のリンパー先生は、会ふ人ごとに斯ういつた。 「どうして、バーユー将軍が、雲だけ食つた筈はない。おれはバーユー将軍の、からだをよくみて知つてゐる。肺と胃の腑は同じでない。きつとどこかの林の中に、お骨があるにちがひない。」なるほどさうかもしれないと思つた人もたくさんあつた。

「北守将軍と三人兄弟の医者」宮沢賢治(青空文庫)

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