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イーダちゃんのお花(アンデルセン)のあらすじ・登場人物

夜に踊る花たちの舞踏会

  • 幻想
  • 翻訳

アンデルセン 訳者 矢崎源九郎 

文字数
9,633字
読了目安
約19分
表記
新字新仮名

この作品について

アンデルセンが1835年に『子どものための童話集』第1冊で発表した童話(原題「Den lille Idas Blomster」。「小さいイーダちゃんの花」の題でも知られる)を、矢崎源九郎が訳したもの(新潮文庫『人魚の姫 アンデルセン童話集Ⅰ』)。しおれた花を心配する少女イーダちゃんに、学生さんが花たちの夜の舞踏会の話を聞かせ、その夜イーダちゃんが目にした光景を描く。子どもの空想と現実がやさしく重なり、花の死と弔いまでを短い話の中で見せる。

あらすじ

小さなイーダちゃんは、しおれた花を見せ、どうして元気がないのかを学生さんにたずねる。学生さんは、花たちは夜ごとお城で舞踏会を開き、疲れているのだと話す。こうるさいお役人はでたらめを教えるなと叱るが、イーダちゃんは花のことばかり考え、花を人形のソフィーのベッドに寝かせる。夜中に目をさますと、隣の部屋から美しいピアノの音が聞こえ、のぞくと、月明かりの中で花たちが人形たちとダンスをしている。お役人に似たろう人形も出てきて、謝肉祭のむちとともに騒ぎ、花の王さまとお妃さまも踊りの輪に加わる。花たちは、あしたには死んでしまうので庭のカナリアのお墓のそばにうめてほしいとソフィーに頼む。朝、花はみなしおれている。イーダちゃんは花を紙の箱に入れ、ノルウェーのいとこヨナスとアドルフと庭にうめ、石弓を撃ってお葬式をする。

登場人物

冒頭部(原文より)

「あたしのお花がね、かわいそうに、すっかりしぼんでしまったのよ」と、イーダちゃんが言いました。「ゆうべは、とってもきれいだったのに、今は、どの花びらも、みんなしおれているの。どうしてかしら?」  イーダちゃんは、ソファに腰かけている学生さんに、こうたずねました。イーダちゃんは、この学生さんが大好きでした。だって、学生さんは、それはそれはおもしろいお話を、たくさんしてくれますからね。それに、おもしろい絵も、いろいろ、切りぬいてくれるのです。たとえば、ハート形の中で、かわいらしい女の人たちがダンスをしているところだの、いろいろなお花だの、それから、戸のあいたりしまったりする大きなお城だのを。ほんとうに、ゆかいな学生さんでした! 「きょうは、お花たち、どうしてこんなに元気がないの?」と、イーダちゃんは、もう一度聞きながら、すっかりしおれている花たばを見せました。

「イーダちゃんのお花」アンデルセン(青空文庫)

末尾部(原文より)

 ノルウェーのいとこのおにいさんたちというのは、ヨナスとアドルフといって、元気のいい、ふたりの男の子でした。ふたりは、おとうさまから、あたらしい石弓を一つずつ買ってもらいましたので、それをイーダちゃんに見せに、持ってきました。イーダちゃんは、ふたりに、死んだ、かわいそうなお花たちのことを話しました。それから、みんなは、かわいそうなお花のお葬式をしてやってもいいというおゆるしをいただきました。  ふたりの男の子が、石弓を肩にかついで、先に立ってすすみました。そのあとから、イーダちゃんが、きれいな箱に死んだお花たちを入れて、ついていきました。みんなで、お庭のすみに、小さな穴をほりました。イーダちゃんは、お花たちにキスをして、それから、箱に入れたまま、土の中にうめました。あいにく、お葬式のときにうつ、鉄砲も大砲もありません。そこで、アドルフとヨナスとが、お墓の上で石弓を引きました。

「イーダちゃんのお花」アンデルセン(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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