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一寸法師(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

乱歩初の新聞連載長編

  • ミステリ
  • 怪奇

江戸川乱歩 1926年(昭和元年)12月 「東京朝日新聞」

文字数
96,485字
読了目安
約3時間13分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

江戸川乱歩が1926年(大正15年)から翌年にかけて「東京朝日新聞」に連載した、初の新聞連載長編。浅草公園で偶然に奇怪な出来事を目撃した青年・小林紋三をきっかけに、バラバラ死体をめぐる猟奇的な事件が展開する。事件の陰に暗躍する、身の丈わずかな「一寸法師」の不気味な影。名探偵・明智小五郎が謎を解き明かす。乱歩みずからは「私好みの古臭い怪奇の世界」と評した、怪奇と本格推理の入りまじる長編である。

あらすじ

安来節の小屋を酔って出た青年・小林紋三は、春の夜の浅草公園をさまようなかで、奇怪な光景を目にする——それが、恐ろしい事件の幕開けだった。やがて、若い女のバラバラにされた死体の一部が次々と発見され、都会は震撼する。事件の陰には、身の丈わずかな「一寸法師」の不気味な姿がちらつく。人形のように小さいその男は、いったい何者で、この猟奇殺人にどう関わっているのか。友人でもある紋三とともに、名探偵・明智小五郎が調査に乗り出し、錯綜する謎を一つずつ解きほぐしていく。悔悟した美しい女性・三千子をめぐる罪の転嫁、死にかけた一寸法師の告白——真相の底には、人の情と罪とが複雑にからみ合っていた。「素人探偵」明智小五郎が、春のよい闇を大またに歩きながら、すがすがしい声で謎解きを語る。怪奇趣味と本格推理を織り合わせた、乱歩初の長編である。

登場人物

冒頭部(原文より)

 小林紋三はフラフラに酔っ払って安来節の御園館を出た。不思議な合唱が――舞台の娘たちの死物狂いの高調子と、それに呼応する見物席のみごとな怒号が――ワンワンと頭をしびらせ、小屋を出てしまっても、ちょうど船暈の感じで足許をフラフラさせた。その辺に軒を並べている夜店の屋台が、ドーッと彼の方へ押寄せて来るような気がした。

「一寸法師」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

「分るかい。……罪の転嫁。……場合によっちゃ悪いことではない。殊に三千子さんの様な美しい存在をこの世からなくしない為にはね。あの人は君、全く悔悟しているのだよ」  素人探偵明智小五郎は、春のよい暗を大またに歩きながら、すがすがしい声でいった。

「一寸法師」江戸川乱歩(青空文庫)

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