海浜荘の殺人(山本周五郎)のあらすじ・登場人物
悲劇の家に起きた殺人
- ミステリ
- 文字数
- 8,630字
- 読了目安
- 約17分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
山本周五郎が1938年(昭和13年)、「少年少女譚海」に発表した探偵小説。海辺の別荘「海浜荘」で起きた殺人事件——不幸の影のさす一家をめぐる謎を描く一編である。
あらすじ
「エル、まだかい」——ベランダから無遠慮に覗きこむ高野千之の声。鏡台に向かって日灼け予防の白粉を塗っていた志津子は、「厭アよ千ちゃん、そんな処から覗いたりして」と驚く。海辺の別荘「海浜荘」に集う人々——だが、この家には、不幸の影がさしていた。やがて起きる殺人事件をめぐって、謎が深まっていく。「悲劇の家」と呼ばれるこの家で、いったい何が起きたのか。事件の真相が少しずつ明らかにされ、物語は意外な結末へと向かう。物語の結び、「ええ、貴方にだけ……」という言葉に、「占めた!」と千之が手を拍って叫ぶ。それが、この悲劇の家に響いた、初めての明るい声だった——。暗い事件のなかに、ひとすじの希望の光をさしこませた、山本の探偵ものである。
登場人物
- 高野千之 事件にかかわる青年
- 志津子 海浜荘の女性
冒頭部(原文より)
「エル、まだかい」 ベランダから無遠慮に覗きながら、高野千之が声をかけた。鏡台に向って日灼け予防の白粉を塗っていた志津子は吃驚して、 「厭アよ千ちゃん、そんな処から覗いたりして、お化粧してるとこなんか男が見るもんじゃないわ」
「海浜荘の殺人」山本周五郎(青空文庫)
末尾部(原文より)
「ええ、貴方にだけ……」 「占めた!」 千之は手を拍って叫んだ。――この悲劇の家に、それが初めての明るい声であった。
「海浜荘の殺人」山本周五郎(青空文庫)
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