仮面の恐怖王(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物
仮面の怪人と少年探偵団
- ミステリ
- 冒険
- 文字数
- 75,287字
- 読了目安
- 約2時間31分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
- 舞台
- 東京都
- 京都府
この作品について
江戸川乱歩が光文社の月刊誌「少年」に1959年(昭和34)の1年間連載した、少年探偵団ものの長編。不忍池のほとりにできたロウ人形館から抜け出す鉄仮面、京都の三十三間堂にあらわれる黄金仮面と、仮面をかぶった怪人が次々に事件を起こす。大人向けの『黄金仮面』『恐怖王』などの趣向を下敷きにしており、なじみのあるモチーフを少年向けにつくりかえた作品として読める。変装を競う明智探偵と怪人との頭脳戦に、少年探偵団とチンピラ別働隊の知恵が加わる。
あらすじ
上野の不忍池のほとりに、ロンドンのロウ人形館をまねた白い建物ができる。見物に行った少年探偵団員の井上君とノロちゃんは、館内で鉄仮面のロウ人形が動きだして外へ抜け出すのを目撃する。その夜、港区の有馬大助君の家では、有名な「星の宝冠」が盗まれる。電話で怪人から来るなと言われた明智探偵は、それでも現場にむかうが、怪人の罠にかかって船に閉じこめられてしまう。やがて怪人は「恐怖王」を名のり、京都の三十三間堂に黄金仮面の姿であらわれ、東京の映画館でも血をはく黄金仮面を映して観客を驚かせる。次に恐怖王は、片桐さんの国宝の仏像を十三日に盗むと予告する。少年探偵団は屋根裏にひそみ、なわばしごで追いかけるなどして、恐怖王の部下を追いつめていく。一方、庭番に化けた怪人は、かくれていた明智探偵にあっさりと見やぶられる。恐怖王の正体は、怪人二十面相だった。空中を飛ぶ最後の切り札のプロペラも壊される。それから一週間後、小林少年とポケット小僧は、金色の顔の運転手が乗る怪しい自動車を追って洞くつにはいり、ゴリラに追われた末に落盤で閉じこめられる。土の下敷きになっていた男は自分が二十面相だと認め、同時に、落盤した土の中から、幕府のご用金とみられる小判が大量に見つかる。
登場人物
- 小林芳雄 少年探偵団の団長
- 井上一郎 少年探偵団の団員
- 野呂一平(ノロちゃん) 少年探偵団の団員
- 明智小五郎 名探偵
- 恐怖王 仮面で正体を隠す怪人(二十面相)
冒頭部(原文より)
東京上野公園の不忍池のそばに、ふしぎな建物がたちました。両国のもとの国技館をぐっと小さくしたような、まるい建物で、外がわの壁も、まる屋根も、ぜんぶ、まっ白にぬってあるのです。そして窓というものが、ひとつもありません。 正面に小さな入口があって、その入口の上に「中曾夫人ロウ人形館」というかんばんがかかっています。
「仮面の恐怖王」江戸川乱歩(青空文庫)
末尾部(原文より)
「わあい、少年探偵団、ばんざあい。」 少年たちのあいだに、さかんな拍手がおこりました。 この計画は、明智探偵も、きっと、さんせいするでしょう。そして、少年探偵団がけいたい無電機をもつ日も遠くないかもしれません。そうなったら、かれらは、いままでみられなかったような大活躍をするでしょう。その日がまちどおしいではありませんか。
「仮面の恐怖王」江戸川乱歩(青空文庫)
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