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カラー(アンデルセン)のあらすじ・登場人物

ほら吹きカラーの末路

  • 風刺
  • 翻訳

アンデルセン 訳者 矢崎源九郎 

文字数
3,076字
読了目安
約6分
表記
新字新仮名

この作品について

アンデルセンが1847年に発表した童話(原題「Flipperne」)を、矢崎源九郎が訳したもの(新潮文庫『マッチ売りの少女 アンデルセン童話集Ⅲ』)。シャツの襟(カラー)が、洗濯物の中で出会った靴下どめ、アイロン、はさみ、くしに次々と結婚を申しこんでは断られる物語で、身の回りの小物たちが人間そっくりに恋をし、うぬぼれる。語り手が最後に、この話が印刷された紙の由来へつなぐ趣向も楽しい。

あらすじ

りっぱな紳士の持ち物は靴ぬぎとくしだけで、そのかわり世界一きれいなカラーを持っていた。年ごろのカラーは結婚したくなり、洗濯物の中で出会った靴下どめに言い寄るが、はずかしがられてはねつけられる。アイロンには「ぼろきれ」と言われ、紙切りばさみには結婚を申しこんだせいで切りすぎられて、おはらい箱になる。くしにも、靴ぬぎと婚約していると断られる。長い年月がたち、カラーはぼろの集まる製糸工場の箱の中で、恋人が山ほどいたとほらを吹く。そして白い紙に生まれかわるが、それがこの話の印刷されている紙で、ほらを吹きすぎた報いだと語り手は言い、自分たちも気をつけようと結ぶ。

登場人物

冒頭部(原文より)

 あるところに、ひとりのりっぱな紳士がいました。この紳士は靴ぬぎと、それにくしを一つ、持っていました。これが、この人の持物のぜんぶだったのです。そのかわり、この紳士は、世界でいちばんきれいなカラーを持っていました。これから、わたしたちが聞くお話は、このカラーについてのお話なんですよ。  さて、カラーは年ごろになりましたので、ぼつぼつ、結婚したいと思いました。すると、あるとき、ぐうぜん、せんたくものの中で、靴下どめに出会いました。

「カラー」アンデルセン(青空文庫)

末尾部(原文より)

 ところが、カラーのなった白い紙というのが、どうでしょう。いま、わたしたちが見ている白い紙、このお話の印刷されている、白い紙なんです。というのも、カラーは、あとになって、ありもしないことまで、とんでもないほらをふいたからなんです。  わたしたちは、このことをよくおぼえておいて、そんなことをしないように、気をつけましょう。なぜならばですよ、このわたしたちにしたって、いつかは、ぼろ箱の中にはいって、白い紙にされないともかぎりませんからね。それも、自分の話を、ごくごくないしょのことまでも印刷されて、あっちこっち話しまわらなければならないともかぎらないんですから。ちょうど、このカラーのようにですよ。

「カラー」アンデルセン(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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