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キューピー(夢野久作)のあらすじ・登場人物

おもちゃ箱の捜索さわぎ

  • 幻想

夢野久作 1922年(大正11年)11月 「九州日報」

文字数
694字
読了目安
約1分
表記
新字新仮名

この作品について

アメリカ生まれのキューピーが消えて、おもちゃ箱は大さわぎ。ダルマも、ドイツ生まれのブリキの兵隊も、フランス生まれの道化人形も、いっせいに飛び出して捜索にかかる——夢野久作が「九州日報」に書いた掌篇童話。鼠の告げ口で三毛猫が疑われるという小さな筋のなかに、後年の作風の芽が見える。

あらすじ

アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまった。日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出し、あとからドイツ生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。フランス生まれの道化人形はイギリス生まれのねむり人形と一緒に走り出し、みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽになった。敷居のところを通りかかった鼠にダルマさんがたずねると、鼠はチューチュー笑いながら、この頃この家へ来た小さな三毛猫がおもちゃに持って行ったのだろうと答える。縁側で日なたぼっこをしている三毛猫を捕まえ、兵隊さんが剣付き鉄砲を突きつけて詰め寄ると、三毛猫はびっくりして、お嬢さんの帯や鞠はおもちゃにしたけれどキューピーには手を出していない、おおかた鼠が自分を追い出すために仕組んだのだろうと言う。皆はなるほどと気づいて天井裏へ駆け上がり、隅の方からキーキーピイピイと泣く声を聞きつけた。

登場人物

冒頭部(原文より)

 アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまりました。日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出す。あとから独逸生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。仏蘭西生まれの道化人形は英国生まれのねむり人形と一緒にそのあとから走り出す。みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽになりました。

「キューピー」夢野久作(青空文庫)

末尾部(原文より)

 みるとかわいそうに、キューピーはお腹も何もピシャンコになって、青い眼を泣き腫らして寝ています。みんなは大喜びで連れて帰って、寄ってたかって介抱をして、もとの通りにふくらましてやりました。  三毛猫はその後大きくなって、家中の鼠を皆捕って殺してしまいました。

「キューピー」夢野久作(青空文庫)

原文を読む

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