饑餓陣営(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
勲章を食べた飢えた兵隊
- 風刺
- 文字数
- 7,019字
- 読了目安
- 約14分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
宮沢賢治の一幕物の戯曲。飢えた兵士たちが、バナナン大将の勲章とエボレットを食べてしまう滑稽な事件と、そのあとの大将の「生産体操」を描く。軍隊や勲章をからかう調子の中に、農業への関心がのぞく。劇中歌も多い。
あらすじ
砲弾で壊れた穀倉の臨時幕営で、バナナン軍団の兵士十数人が、大将の帰りを待ちながら飢えきっている。ようやく帰ってきた大将は、バナナや菓子でできた勲章とエボレットを胸と肩に飾っていた。曹長と特務曹長は、責任は二人で負うと決め、大将をおだてて勲章を一つずつ見せてもらい、兵士たちに食べさせてしまう。大将は泣いて怒り、兵士たちは罪の重さに気づいて自殺しようとする。ところが、大将はピストルを取りあげ、お前たちの誠心はわかったと言い、勲章など何でもないと語る。そして神の力で発明したと言い、果樹の整枝法をまねる「生産体操」を兵士たちに教え、手籠に果実を収めて行進歌をうたい、幕となる。
登場人物
- バナナン大将 バナナのエボレットと菓子の勲章をつけた大将
- 特務曹長 兵士たちの上官
- 曹長 特務曹長とともに勲章を食べる計画を立てる
- 兵士 十人。飢えている
冒頭部(原文より)
幕あく。 砲弾にて破損せる古き穀倉の内部、辛くも全滅を免かれしバナナン軍団、マルトン原の臨時幕営。 右手より曹長先頭にて兵士一、二、三、四、五、登場、一列四壁に沿いて行進。
「饑餓陣営」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
棚の仕立に いたりしに ひかりのごとく 降り来し 天の果実を いかにせん。 みさかえはあれ かがやきの あめとしめりの くろつちに みさかえはあれ かがやきの あめとしめりの くろつちに。」 幕。
「饑餓陣営」宮沢賢治(青空文庫)
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。