とびくらべ(アンデルセン)のあらすじ・登場人物
一番高くとんだのは誰
- 風刺
- 翻訳
- 文字数
- 2,424字
- 読了目安
- 約5分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
アンデルセンが1845年に発表した童話(原題「Springfyrene」。「跳ぶ者たち」の意)を、矢崎源九郎が訳したもの(新潮文庫『マッチ売りの少女 アンデルセン童話集Ⅲ』)。ノミ、バッタ、とび人形が、だれがいちばん高くとべるかを競い、勝てば王さまの娘をもらえるという話。三者の自慢と王さまの審査をごく短い話で描き、最後に語り手がこの話自体をちゃかしてみせる。
あらすじ
ノミとバッタととび人形が、だれがいちばん高くとべるかを競うことにし、世界じゅうの人を招く。王さまは、いちばん高くとんだ者に娘をやると言う。ノミは礼儀正しく、バッタは緑の制服を着て古い家柄を自慢し、とび人形は黙っていて、かえって考えぶかいと言われる。競技が始まると、ノミはあまりに高くとんで姿が見えず、バッタは半分ほどしかとばずに王さまの顔にぶつかる。とび人形はじっと考えこんだあと、イヌににおいをかがれた拍子にはねて、お姫さまのひざにとびこむ。王さまは、娘のところまでとぶには頭がいる、これは頭のあることを見せたと言い、お姫さまはとび人形のものになる。ノミは外国で軍隊に入って戦死したといい、バッタはみぞの中で、からだがいる、と悲しげに歌っている。
登場人物
- ノミ 高くとびすぎて見えなくなる
- バッタ 緑の制服の自慢屋
- とび人形 黙って考えこみ、お姫さまのひざへとびこむ
- 王さま 一番高くとんだ者に娘をやると言う
- お姫さま 王さまの娘
冒頭部(原文より)
あるとき、ノミと、バッタと、とび人形(注)が、われわれの中で、だれがいちばん高くとべるか、ひとつ、ためしてみようじゃないか、と言いました。そこで、さっそく、世界じゅうの人々に招待状を出して、このすばらしいとびくらべを見たいと思う人は、だれでも、呼んであげることにしました。 さて、いよいよ、この三人の高とびの選手たちが、そろって部屋の中にはいってきました。 「では、いちばん高くとんだものに、わしの娘をやることにしよう」と、王さまが言いました。「せっかく、高くとんでも、ほうびがなにもないのでは、かわいそうだからのう」
「とびくらべ」アンデルセン(青空文庫)
末尾部(原文より)
バッタは、外のみぞの中にすわって、世の中ってもののことを、じっと考えていました。そして、ノミと同じように、 「からだがいる! からだがいる!」と、言いました。そして、この虫だけがもっている、独特の、悲しげな歌をうたいました。いましているお話は、その歌からかりてきたものなのです。といっても、このお話は、こんなふうに印刷されてはいますけれども、うそかもしれませんよ。
「とびくらべ」アンデルセン(青空文庫)
原文を読む
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