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まほうやしき(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

まほうやしきの種あかし

  • ミステリ
  • 冒険

江戸川乱歩 1957年(昭和32年)1月 「たのしい三年生」

文字数
5,544字
読了目安
約11分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

江戸川乱歩が講談社の学習雑誌「たのしい三年生」に1957年(昭和32)1月号から3月号まで連載した、小学三年生向けの短い少年探偵団もの。ひらがなを多く使った文章で書かれ、ちんどん屋に連れられた子どもたちが洋館のしかけに驚き、最後に小林少年が種を明かす。『黄金のトラ』事件の相手だった「魔法博士」が再登場する、小さな連作の一編でもある。

あらすじ

少年探偵団の井上くんの妹、小学三年のルミちゃんは、ちんどん屋のあとについて町はずれの森まで行ってしまう。さがしに来た井上くんとノロちゃんも、おもしろいものを見せるというちんどん屋に連れられ、古い赤れんがの洋館にはいる。暗がりでちんどん屋は西洋悪魔の姿に変わり、首だけが宙にうかんで笑いだす。逃げこんだ小部屋はゆれて上下がさかさまになり、次の部屋ではライオンに出会うが、ライオンの腹が割れて悪魔があらわれる。三人はベッドで寝かされ、朝にはライオンの子の毛皮を着せられていた。その後も、床の落とし穴やロボットのいる地下室、鏡ばりの部屋と不思議なものを見せられる。じつは井上くんたちが前の夜に窓からバッジをつつんだ手紙を投げており、それを拾った近所の子が小林団長に届けたのだった。小林少年がしのびこんで悪魔の正体は魔法博士だと見やぶり、屋敷のまわりには少年探偵団員が待ちかまえていた。魔法博士は負けを認め、少年たちはふしぎなしかけの種あかしを聞く。

登場人物

冒頭部(原文より)

 しょうねんたんていだんのなかで、いちばんからだが大きくて力の強い井上一郎くんに、小学校三年生のルミちゃんという、かわいい妹がありました。そのルミちゃんが、ある夕がた、ちんどん屋のあとについて、町はずれのさびしい森の近くまで行ってしまったのです。  井上くんは、おかあさんにたのまれて、ちょうどそのとき、遊びに来ていた同じだんいんのノロちゃん(野呂一平くんのあだ名)とふたりで、方々さがしまわって、やっとルミちゃんを見つけましたが、ルミちゃんは、ちんどん屋のおじさんがおもしろいものを見せてやるというから、いっしょに行くのだといって、どうしても帰りません。

「まほうやしき」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

「うん、えらい。やっぱり小林だんちょうのちえは、たいしたもんだ。では、わしが負けたしるしに、あの三まいの子どもライオンの毛皮は、きみたちのおもちゃにあげることにしようね」  こうしてしょうねんたんていだんは、またしても、おとなのまほうはかせをうち負かしてしまったのでした。

「まほうやしき」江戸川乱歩(青空文庫)

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