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魔術師(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

奇術をあやつる怪賊との死闘

  • ミステリ

江戸川乱歩 1930年(昭和5年)6月 「講談倶楽部」

文字数
139,157字
読了目安
約4時間38分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

江戸川乱歩が1930年(昭和5年)、「講談倶楽部」に連載した長編。「蜘蛛男」に続く明智小五郎ものの一編で、生きた女を胴切りにし、生首を転がしてみせるなど、あらゆる奇術をあやつる怪賊「魔術師」が登場する。復讐に憑かれたこの魔術兇賊に、名探偵・明智小五郎が挑む。のちに明智の妻となる女性・文代が初めて登場する作品としても知られ、続編「吸血鬼」へと物語が引き継がれていく。

あらすじ

看客の目の前で生きた女を胴切りにし、箱詰めの少女を剣で串刺しにし、鮮血したたる生首を転がしてみせる——あらゆる奇術を意のままにあやつる怪賊「魔術師」が現れた。人を立ちどころに眠らせ、暗示を与え、他人の心中や持ち物を言い当てるその怪技の前に、さすがの名探偵・明智小五郎も、心理的・物理的な欺瞞に翻弄され、苦しい戦いを強いられる。魔術兇賊の正体は何者か。そのねらう悪業とは何か。物語の背後には、ある一族への執念深い復讐がひそんでいた。事件のなかで明智は、怪賊にゆかりの深い女性・文代と出会う。やがて魔術師との死闘に決着がつくと、文代は明智小五郎の女助手を志願し、彼の事務所へ毎日のように通いはじめる。怪賊の娘であっただけに、探偵助手にはもってこいの彼女が、その後どのように明智を助け、いかにして「明智夫人」と呼ばれるようになるのか——その顛末は、続く物語「吸血鬼」へと引き継がれる。名探偵と怪奇の魔術師の争闘を描いた、明智もの長編である。

登場人物

冒頭部(原文より)

 新聞紙は毎日の様に新しい犯罪事件を報道する。世人は慣れっこになってしまって、又かという様な顔をして、その一つ毎に、さして驚きもしないけれど、静かに考えて見ると、何と騒々しく、いまわしい世の中であろう。広い東京とは云いながら、三つや四つ、血なまぐさい、震え上る様な犯罪の行われぬ日とてはない。

「魔術師」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 妙子は明智小五郎の女助手を志願して、彼の事務所の開化アパートへ、毎日の様に通い始めたのだ。  怪賊魔術師の娘であった丈けに、彼女は探偵助手には持って来いだ。その後文代探偵が、明智を助けて、どの様なすばらしい手腕を見せたか。そして、遂に彼女が明智夫人と呼ばれる様になるまでのいきさつはどうであったか。それらの顛末は「吸血鬼」という別の物語に譲って、「魔術師」物語は、これにて大尾として置きましょう。

「魔術師」江戸川乱歩(青空文庫)

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