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眠りの精(アンデルセン)のあらすじ・登場人物

一週間の夜ばなし

  • 幻想
  • 翻訳

アンデルセン 訳者 矢崎源九郎 

文字数
12,669字
読了目安
約25分
表記
新字新仮名

この作品について

アンデルセンが1841年12月に発表した童話(原題 Ole Lukøie)を、北欧文学者の矢崎源九郎が訳したもの(新潮文庫『人魚の姫 アンデルセン童話集Ⅰ』)。子どもたちの目に甘いミルクを注いで眠らせ、夢の中でお話を聞かせる眠りの精オーレ・ルゲイエが、ヤルマールという男の子のもとへ月曜から日曜まで、一晩ずつ通う。七つの夜がそれぞれ別の短い話になっていて、夢と現実のあいだを自由に行き来する想像力と、ほのかなユーモアが魅力。最後の夜に現れる意外な訪問者が、作品全体の陰影を深めている。

あらすじ

眠りの精オーレ・ルゲイエは、子どもたちの目に甘いミルクを注いで眠らせ、よい子には絵のある傘をさして楽しい夢を見せ、行儀の悪い子には絵のない傘をさして夢を見せない。ヤルマールという男の子のもとへ、一週間毎晩やってくる。月曜、部屋の花が大きな木になり、机の引出しの中の石盤の数や習字帳の字が泣いている。火曜、家具たちが自慢話を始め、風景画の中で、ヤルマールはハクチョウの引くボートで船遊びをする。水曜、船で海に出て、疲れ果てて落ちたコウノトリを助ける。木曜、ハツカネズミの結婚式に招かれ、すずの兵隊の軍服を着て出かける。金曜、姉の人形ヘルマンとベルタの結婚式が開かれ、二人は砂利取り場の近くのキャベツ畑に住むことにする。土曜、オーレは、明日の日曜に備えて世界をきれいにする仕事の話をし、肖像画のひいおじいさんが星を磨けるはずがないと口を挟む。日曜、オーレは、自分の弟もオーレ・ルゲイエだと言い、窓から、ウマに乗って人々を連れていく弟を見せる。それは死神だったが、よい成績表を持つ者には楽しい話を、そうでない者には恐ろしい話を聞かせる、りっぱな姿をしていた。ヤルマールは少しもこわがらなかった。

冒頭部(原文より)

 世界じゅうで、眠りの精のオーレ・ルゲイエぐらい、お話をたくさん知っている人はありません!――オーレ・ルゲイエは、ほんとうに、いくらでもお話ができるのですからね。  夜になって、子供たちがまだお行儀よくテーブルにむかっていたり、低い椅子に腰かけたりしているころ、オーレ・ルゲイエがやってきます。オーレ・ルゲイエは、静かに静かに階段を上ってきます。なぜって、靴下しかはいていないのですからね。オーレ・ルゲイエは、そっとドアをあけて、子供たちの目の中に、シュッと、あまいミルクをつぎこみます。でも、ほんの、ほんのちょっぴりですよ。けれど、それだけでも、子供たちは、もう目をあけてはいられなくなるのです。ですから、子供たちには、オーレ・ルゲイエの姿が見えません。

「眠りの精」アンデルセン(青空文庫)

末尾部(原文より)

「だけど、死神って、とってもりっぱなオーレ・ルゲイエだねえ!」と、ヤルマールは言いました。「ぼく、ちっともこわくないよ」 「そう、こわがることなんかないね」と、オーレ・ルゲイエは言いました。「いい成績表を、もらえるようにしさえすればいいんだよ」 「さよう、これはためになる!」と、ひいおじいさんの肖像画が、つぶやきました。「やっぱり、自分の考えを言えば、役にたつのじゃな!」こう言って、肖像画は満足しました。  みなさん! これが眠りの精のオーレ・ルゲイエのお話です。今夜は、オーレ・ルゲイエが、みなさんに、もっといろいろのお話をしてくれるかもしれませんよ!

「眠りの精」アンデルセン(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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