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虹の絵の具皿(十力の金剛石)(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物

虹の皿を探す二人の王子

  • 幻想
  • 冒険

宮沢賢治 

文字数
8,046字
読了目安
約16分
表記
新字新仮名

この作品について

宮沢賢治の童話。霧の朝に城をぬけ出した王子と大臣の子が、虹の脚もとにあるというルビーの絵の具皿を探して森へ入り、宝石の雨が降る丘で、「十力の金剛石」を待つ花々の歌を聞く。宝石と露、光のイメージが、仏教的な世界観とともに描かれる、きらびやかな物語。

あらすじ

霧の深い朝、王子は大臣の子を誘って、虹の根もとにあるというルビーの絵の具皿を探しに出かける。けらいたちの声が聞こえるなか、二人は野原を走り、白樺の木まで来るが虹は逃げてしまう。柏の森へ入ると霧が出て、蜂雀が歌い、雨が降り出す。蜂雀の案内で出た丘の頂上では、宝石の雨が降り、りんどうも野ばらも宝石でできている。花々は、「十力の金剛石は今日も来ない」と悲しげに歌う。王子が十力の金剛石とは何かとたずねると、花々は、露のようでも、霧のようでもあり、いのちの中に宿るものだと答える。やがて空から二粒の宝石が落ち、花々は歓声をあげて十力の金剛石が下ったと叫ぶ。丘は、ほんとうの草や花の姿に変わり、碧い空も太陽も風も、すべてが十力の金剛石であった。二人はつつましくひざまずき、迎えに来たけらいたちのもとへ丘を下りて行く。

登場人物

冒頭部(原文より)

 むかし、ある霧のふかい朝でした。  王子はみんながちょっといなくなったひまに、玻璃でたたんだ自分のお室から、ひょいっと芝生へ飛びおりました。  そして蜂雀のついた青い大きな帽子を急いでかぶって、どんどん向こうへかけ出しました。

「虹の絵の具皿(十力の金剛石)」宮沢賢治(青空文庫)

末尾部(原文より)

「おおい。ここだよ」と王子は叫ぼうとしましたが、その声はかすれていました。二人はかがやく黒い瞳を、蒼ぞらから林の方に向けしずかに丘を下って行きました。  林の中からけらいたちが出て来てよろこんで笑ってこっちへ走って参りました。  王子も叫んで走ろうとしましたが、一本のさるとりいばらがにわかにすこしの青い鉤を出して王子の足に引っかけました。王子はかがんでしずかにそれをはずしました。

「虹の絵の具皿(十力の金剛石)」宮沢賢治(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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