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人間腸詰(夢野久作)のあらすじ・登場人物

腸詰にされかけた洋行土産の怪談

  • 怪奇

夢野久作 1936年(昭和11年)

文字数
21,650字
読了目安
約43分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

夢野久作の怪奇短編。アメリカのセントルイス博覧会に渡った日本の職人が語る、恐ろしくも奇怪な「洋行土産」——あやうく腸詰(ソーセージ)にされかけた顛末を、べらんめえ調の語りで綴る、グロテスクな一編である。

あらすじ

「あっしの洋行の土産話ですか」——語り手の職人は、あまり思い出したくないという奇怪な体験を、べらんめえ調で語り始める。世界が丸いおかげで腸詰になり損なった話——若き日、アメリカのセントルイス万国博覧会に渡った彼は、ある事情から地下の恐ろしい場所に迷い込む。そこは、人間を材料にソーセージを作る、身の毛もよだつ工場だった。彼に惚れた娘フイ嬢の助けで、あやうく腸詰にされる寸前で逃げ出した彼だったが——後日、船中で買った日本ビールの肴にソーセージを切っていると、その切り口から黒い女の髪の毛と、小さな紙片が出てきた。まさか、自分の身代りにフイ嬢が腸詰にされて、ここまで跟いて来たのではないか……。「世界の丸っこい道理」が、彼の頭をソーセージのようにゴチャゴチャにする。夢野久作らしい、グロテスクで奇怪な味わいの怪談である。

冒頭部(原文より)

 あっしの洋行の土産話ですか。  イヤハヤどうも……あんまり古い事なんで忘れちゃいましたよ。何なら御勘弁願いたいもんで……ただもうビックリして面喰って、生命からがら逃げて帰って来たダケのお話でゲスから……。  ……ヘエ……あの話。あの話と申しますと? ヘエ。世界が丸いお蔭で、あっしが腸詰になり損なった話……。

「人間腸詰」夢野久作(青空文庫)

末尾部(原文より)

 あっしに惚れていたフイ嬢が、あっしの身代りにソーセージになって、ここまで跟いて来たんじゃねえか……ナンテ考えておりますと、最早、ビールの肴どころじゃ御座んせん。こっちの頭がソーセージみたいにゴチャゴチャになっちまいました。世界の丸っこい道理がズンズンとわかって来るように思いましてね……まったく……ヘエ……。

「人間腸詰」夢野久作(青空文庫)

原文を読む

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