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殺生谷の鬼火(山本周五郎)のあらすじ・登場人物

北海道の奥地に潜む怪異

  • ミステリ
  • 怪奇

山本周五郎 1937年(昭和12年)9月 「新少年」

文字数
9,474字
読了目安
約19分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 北海道

この作品について

山本周五郎が1937年(昭和12年)、「新少年」に発表した少年向けの怪奇探偵小説。理科大学生・椙原敦夫が、北海道の奥地の故郷から届いた凶報を受けて帰郷し、底無し沼にまつわる怪異と、一族の暗い秘密に立ち向かう。鬼火のゆらめく谷を舞台にした、スリルに満ちた一編である。

あらすじ

東京理科大学生の椙原敦夫のもとへ、北海道の奥地にある故郷の妹から、「母死ス父危篤至急帰レ」という電報が届く。訳が分からぬまま故郷へ急いだ敦夫を待っていたのは、「殺生谷の鬼火」と呼ばれる怪異と、一族にまつわる暗い秘密だった。底無し沼のほとりに揺らめく鬼火、次々と起こる不可解な出来事——理科の知識をたのむ敦夫が、怪奇の正体に迫っていく。物語の結び、老人・平造が、沼に浮いていた帽子を差し出して言う。「幾ら捜しても西の旦那はみつかりましねえ、この帽子が底無し沼に浮いとりましたから、殊に依ると彼処へ……」。「そうだ、其で宜いんだ。彼処が叔父さんに一番相応しいお墓だよ、――神よ、彼人の魂に平安あれ」。因果はめぐり、悪はその報いを底無し沼に沈める。北海道の奥地を舞台に、怪異とスリルを描いた、山本初期の少年ものである。

登場人物

冒頭部(原文より)

 東京理科大学生の椙原敦夫は、北海道の奥地に在る故郷の妹から、 (母死ス父危篤至急帰レ、至急ヲ要ス)  という意味の電報を受取った。 「なんだい是は」  敦夫は訳が分らぬという顔で呟いた。

「殺生谷の鬼火」山本周五郎(青空文庫)

末尾部(原文より)

「若旦那さま、幾ら捜しても西の旦那はみつかりましねえ、この帽子が底無し沼に浮いとりましたから、殊に依ると彼処へ……」 「そうだ、其で宜いんだ」  敦夫は頷いて云った。「彼処が叔父さんに一番相応しいお墓だよ、――神よ、彼人の魂に平安あれ」

「殺生谷の鬼火」山本周五郎(青空文庫)

原文を読む

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