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黄金仮面(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

明智小五郎と黄金仮面の怪盗

  • ミステリ
  • 冒険

江戸川乱歩 1930年(昭和5年)9月 「キング」

文字数
143,394字
読了目安
約4時間47分
表記
新字新仮名
種別
小説

この作品について

江戸川乱歩が1930年(昭和5年)から翌年にかけて「キング」に連載した長編。乱歩みずから「大探偵小説」への第一歩と位置づけた作品で、帝都を騒がせる金色の仮面をつけた怪盗と、名探偵・明智小五郎が対決する。国宝級の真珠や美術品、そして令嬢・不二子をねらう黄金仮面とは何者か。国境を越えた頭脳戦を描く、乱歩エンターテインメントの代表的長編である。

あらすじ

帝都に、金色に輝く仮面をつけた怪人があらわれ、大鳥家の秘蔵する国宝級の大真珠をはじめ、貴重な美術品を次々とねらう。神出鬼没のその黄金仮面に、警察も上流社会も震えあがった。事件に挑むのは、名探偵・明智小五郎。変装、追跡、脱出、そして人質にとられる令嬢・不二子——息もつかせぬ攻防のなかで、やがて明智は、この途方もない怪盗の正体を突きとめる。黄金仮面とは、フランスからはるばる海を越えて日本に乗り込んできた、世界的な大泥棒アルセーヌ・ルパンその人だったのだ。日本の名探偵とヨーロッパの怪盗王という、空前の顔合わせによる知恵くらべは、二転三転の末に明智の勝利へと収束する。同類はことごとく捕らえられ、国宝も取り戻され、不二子もルパンの手を逃れた。ルパンその人だけは飛行機で逃走し、やがて太平洋上にその機影が漂っているのが発見される——が、一筋縄ではいかぬ曲者のこと、はたして本当に海の藻屑と消えたのかどうか。国境を越えた名探偵と大怪盗の対決を、華やかなスケールで描いた乱歩の痛快長編である。

登場人物

冒頭部(原文より)

 この世には、五十年に一度、或は百年に一度、天変地異とか、大戦争とか、大流行病などと同じに、非常な奇怪事が、どんな悪夢よりも、どんな小説家の空想よりも、もっと途方もない事柄が、ヒョイと起ることがあるものだ。  人間社会という一匹の巨大な生物が、何かしらえたいの知れぬ急性の奇病にとりつかれ、一寸の間、気が変になるのかも知れない。

「黄金仮面」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 ルパンの飛行機は、そのまま数日の間消息を断っていたが、ある日太平洋航行中の汽船が、海面に漂うシャプラン氏の飛行機を発見したという新聞電報が人々を驚かせた。  ルパンは太平洋の藻屑と消えたのであろうか。イヤイヤ、一筋縄で行かぬ曲者のことだ。これまでもあった様に、死んだと見せかけて、その実世界のどこかの隅で、又々大仕掛けな悪企みを計画していまいものでもないのである。

「黄金仮面」江戸川乱歩(青空文庫)

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