ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
ブドリの原型となった章立てメモ
- 幻想
- 文字数
- 735字
- 読了目安
- 約1分
- 表記
- 新字新仮名
この作品について
『グスコーブドリの伝記』の原型とされる賢治の構想メモ。「ペンネンノルデ」という主人公が、火山の噴火や冷害に立ち向かう一生が、各章の見出しと簡潔な書き込みで並べられている。完成作とは名前や設定が違い、そのぶん賢治がこの物語に何を込めようとしたかの手がかりになる。文章としては未完だが、題名の不思議な響きとともに、愛好家には知られた作品。
あらすじ
十二の章立てが箇条書きで示される。ペンネンノルデが七つの歳に太陽にたくさんの黒い棘ができる。ノルデは十二年のあいだ森で昆布とりをしたのち、書記になろうとモネラの町へ出かける。やがて噴火を海へ向ける仕事に就くが、フウケーボー大博士への疑問から職をはがれ、火山灰の土壌を耕すことになる。野原にトランプのカードのような畑をこしらえ、みんなの仕事を楽にしようと考えて南へ出かけ、人々に胴上げされては地べたに落とされる目にもあう。そして最後の章で、ノルデは太陽の黒い棘を取るために出かける。章ごとに「恋人アルネ」「大雷雨」「セントエルモの火」などの断片が書き込まれ、完成作へ至る前の骨格がうかがえる。
冒頭部(原文より)
一、ペンネンノルデが七つの歳に太陽にたくさんの黒い棘ができた。赤、黒い棘、父赤い眼、ばくち。 二、ノルデはそれからまた十二年、森のなかで昆布とりをした。 三、ノルデは書記になろうと思ってモネラの町へ出かけて行った。氷羊歯の汽車、恋人、アルネ。
「ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
どうだい。ひどくいたいかい。どう? あなたひどくいたい? ノルデつかれてねむる。 十二、ノルデは太陽から黒い棘をとるためにでかけた。 太陽がまたぐらぐらおどりだしたなあ。困るなあ。おい断わっちまえよ。奮起す。おーい、火山だなんてまるで別だよ。ちゃんと立派なビルデングになってるんだぜ。
「ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ」宮沢賢治(青空文庫)
原文を読む
原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。