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鉄人Q(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

ロボット鉄人Qの怪事件

  • ミステリ
  • 冒険

江戸川乱歩 1958年(昭和33年)4月 「小学四年生」

文字数
76,735字
読了目安
約2時間33分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

江戸川乱歩が講談社の学年別雑誌「小学四年生」(1958年4月号〜)と「小学五年生」(1959年4月号〜1960年3月号)に、2年にわたって連載した少年探偵団ものの長編。小学生向けのため文はやわらかく、漢字を使わない。公園で出会った不思議な老人が作った人間そっくりのロボット「鉄人Q」が事件を起こす。ロボットを悪事に使う怪人と、少年探偵団・ポケット小僧の知恵くらべが、一連の事件の骨格になる。

あらすじ

豊島区に住む小学四年生の北見菊雄は、近所の公園で出会った白髪の老人から、人間そっくりのロボット「鉄人Q」を見せられる。老人の発明が五十年がかりだと聞いて感心した北見君だが、やがて鉄人Qは東京の町であばれはじめる。不忍池のほとりでは幼稚園の少女ミドリちゃんが連れ去られ、台東区の銀行にはおしろいを塗ったような顔の大男があらわれる。鉄人Qは上野公園の五重の塔の屋根にのぼり、警官に化けて逃げだすが、その後は川の中へ姿を消し、少年探偵団のポケット小僧の追跡も水中でふりきられる。一か月後、北見君は友だちの中井君と銀座を歩いているうちに、人形じいさんのおばけの家に迷いこむ。小林少年とポケット小僧は二人を救おうと奔走するが、鏡の部屋で何千もの一つ目小僧に囲まれたうえ、床が開いて地底の森に落とされ、大蛇におそわれる。警察のおかげで助かると、さらに今度は映画館で少年がさらわれる事件がおこる。やがて鉄人Qの正体が、ロボットに化けた怪人二十面相だと明らかになる。最後は空中戦となり、二十面相の背負うプロペラに少年探偵団のなわが巻きついて墜落し、手錠をかけられる。

登場人物

冒頭部(原文より)

 北見菊雄君は、小学校の四年生でした。おうちは東京の豊島区にあるのですが、近くに小さい公園があり、北見君は、友だちといっしょに、その公園で、よく野球などして遊ぶのでした。  公園には、毎日のように、みょうなおじいさんが、来ていました。しらが頭にベレー帽をかぶり、大きなめがねをかけ、白い口ひげと、あごひげをはやし、灰色の洋服を着て、ベンチに腰かけているのです。  北見君たちは、いつのまにか、そのおじいさんとなかよしになりました。おじいさんは、少年たちにおもしろい話を聞かせてくれるのです。  なんでもよく知っていました。学校の先生よりも、ものしりのように見えました。

「鉄人Q」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 地上の少年たちの口から、ワーッ、と叫び声があがりました。こうして、長いあいだ鉄人Qにばけていた二十面相は、ついに、とらわれの身となったのでした。  ふたりの刑事が、ついらくした二十面相に近づいて、パチンと手錠をはめたうえ、げんじゅうになわまでかけてしまいました。  とうとう、少年探偵団が勝ったのです。こんなうれしいことはありません。 「ばんざーい、ばんざーい……。」  少年探偵団の三十人の少年たちは、声をかぎりに、ばんざいを叫ぶのでした。

「鉄人Q」江戸川乱歩(青空文庫)

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