鳥箱先生とフウねずみ(宮沢賢治)のあらすじ・登場人物
威張る鳥かごと逃げるねずみ
- 風刺
- 幻想
- 文字数
- 3,681字
- 読了目安
- 約7分
- 表記
- 新字旧仮名
この作品について
宮沢賢治の短編童話。ひよどりを入れて育てる鳥かごが、自分を「先生」と思い込み、のちにねずみの子フウに説教する。もっともらしい訓戒と、それを聞き流す生徒のやりとりが滑稽に描かれ、教育への風刺ともなっている。
あらすじ
ひよどりの子を入れられた鳥かごは、自分は先生なのだと思い込み、ひよどりを叱って育てようとする。しかしひよどりたちは、飢えや病、空への恋しさで次々に死に、鳥かごは「哀れなことだ」と言うだけである。ある日、鳥箱先生は物置の棚へ移され、夜、ねずみがかじりに来る。先生は王様の格言を持ち出して教えをたれ、親ねずみは感激して息子のフウを預ける。フウねずみは、歩き方や目つき、背中の丸め方を叱られるたびに、友だちはもっとひどいと言い返して、最後は逃げ出す。怒った先生が親を呼びつけて退校を言い渡そうとしたとき、黄色い影が飛んできて、猫大将がフウを地面にたたきつけた。猫大将は、先生もだめだし生徒も悪い、志がけしつぶより小さいと言い放つ。
登場人物
- 鳥箱先生 自分を先生だと思い込んだ鳥かご
- フウねずみ 先生に預けられたねずみの子
- 猫大将 最後に現れてフウをつかむ
冒頭部(原文より)
あるうちに一つの鳥かごがありました。 鳥かごと云ふよりは、鳥箱といふ方が、よくわかるかもしれません。それは、天井と、底と、三方の壁とが、無暗に厚い板でできてゐて、正面丈けが、針がねの網でこさへた戸になってゐました。 そして小さなガラスの窓が横の方についてゐました。ある日一疋の子供のひよどりがその中に入れられました。ひよどりは、そんなせまい、くらいところへ入れられたので、いやがってバタバタバタバタしました。
「鳥箱先生とフウねずみ」宮沢賢治(青空文庫)
末尾部(原文より)
猫大将は、 「ハッハッハ、先生もだめだし、生徒も悪い。先生はいつでも、もっともらしいうそばかり云ってゐる。生徒は志がどうもけしつぶより小さい。これではもうとても国家の前途が思ひやられる。」と云ひました。
「鳥箱先生とフウねずみ」宮沢賢治(青空文庫)
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