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妖人ゴング(江戸川乱歩)のあらすじ・登場人物

妖人ゴングの復讐

  • ミステリ
  • 冒険

江戸川乱歩 1957年(昭和32年)1月 「少年」

文字数
76,271字
読了目安
約2時間33分
表記
新字新仮名
種別
小説
舞台
  • 東京都

この作品について

江戸川乱歩が光文社の月刊誌「少年」に1957年(昭和32)の1年間連載した、少年探偵団ものの長編。検事の娘・花崎マユミが、少年探偵団の団長・小林少年の「おねえさま」として団員に紹介される場面から始まる。銀座の壁にうつる巨人の影、池にうかぶ巨大な顔、水の底のすみかと、怪異は水と影をめぐって重なる。花崎家に恨みをいだく妖人ゴングと明智探偵・少年探偵団との知恵くらべを描く。

あらすじ

広っぱに集まった少年探偵団員たちに、団長の小林少年が「おねえさま」を紹介する。明智探偵の少女助手となった花崎マユミである。ある晩、銀座の銀行の壁に巨人のかげがうつり、渋谷の夜空には怪物があらわれて、世間は騒然となる。マユミの父で検事の花崎俊夫の邸でも、弟の俊一が池にうかぶ巨大な顔を目撃する。これは妖人ゴングのしわざで、花崎検事に恨みをもつゴングは、マユミと俊一を一週間のうちに連れ出してみせると明智に電話で宣言する。マユミにばけた小林少年は、トランクに入れられて隅田川ぞいの建物に運ばれ、変装を見破られて鉄のブイの中に閉じこめられ、川に沈められてしまう。決死の救出のあと、明智は奥の手を用意して西多摩の山中へ向かい、ゴングと対決する。その後も花崎家の防空壕を舞台に、刑事にばけたゴングと明智、少年探偵団、チンピラ別働隊との攻防がつづく。防空壕に追いつめられたゴングは池の水が流れ込むなか、ネズミと一緒に泳ぎまわる。やがて水の中から引きあげられた妖人ゴングは、怪人二十面相と明らかになり、警視庁の地下室に閉じこめられる。

登場人物

冒頭部(原文より)

 空には一点の雲もなく、さんさんとかがやく太陽に照らされて、ひろい原っぱからは、ゆらゆらと、かげろうがたちのぼっていました。  その原っぱのまんなかに、十二―三人の小学校五―六年生から、中学一―二年ぐらいの少年たちが集まっていました。その中にたったひとり、女の子がまじっていたのです。女の子といっても、もう高等学校を出た美しいおじょうさんです。えびちゃ色のワンピースを着て、にこにこ笑っています。少年たちの先生にしては、まだ若すぎますし、お友だちにしては、大きすぎるのです。  そのおじょうさんのそばに、少年探偵団の団長の小林君が立っていました。そして、みんなに、なにかしゃべっているのです。

「妖人ゴング」江戸川乱歩(青空文庫)

末尾部(原文より)

 それから花崎さんは、マユミさんと俊一君の手をひきながら、家のほうへ、みんなを案内しましたが、日本座敷の縁がわに近づいたとき、中から書生さんがとび出してきました。 「いま、警視庁の中村さんから電話がありました。二十面相は、ぶじ警視庁の地下室へ閉じこめましたから、ご安心くださいって。」  それを聞くと、少年たちのあいだから「ワーッ」という歓声があがりました。そして、みんなはおどりあがるようにして叫ぶのでした。 「少年探偵団ばんざあい……。」 「チンピラ別働隊ばんざあい……。」

「妖人ゴング」江戸川乱歩(青空文庫)

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