クリスマスと結婚式(ドストエフスキー)のあらすじ・登場人物
胸算用の末の花嫁
- 心理
- 翻訳
- 文字数
- 9,039字
- 読了目安
- 約18分
- 表記
- 新字新仮名
- 種別
- 小説
この作品について
ドストエフスキーが1848年に発表した掌編(「無名氏の手記より」)。五年前の大晦日、子供たちの舞踏会に招かれた「わたし」は、三十万ルーブリの持参金をもつ十一歳の少女に熱い視線をそそぐ、名士ユリアン・マスタコーヴィチの胸算用を目撃する。そして先日、教会で見た結婚式で、「わたし」はそのときの人物の姿を再び見ることになる。皮肉の効いた短い風刺で、わずかな頁に金と結婚をめぐる世相を切り取った。米川正夫訳。
あらすじ
五年前の大晦日、「わたし」は実業家の家の子供たちの舞踏会に呼ばれた。そこでは、立派な名士ユリアン・マスタコーヴィチが、三十万ルーブリの持参金をもつ十一歳の少女を食い入るように見つめ、頭の中で年利を数えている。少女と仲のよい赤毛の少年は、そんな彼にはじゃまな存在でしかなかった。それから五年、「わたし」はある教会の前で、人垣にさそわれて結婚式をのぞきこむ。
登場人物
- 「わたし」 無名の語り手。子供の舞踏会に呼ばれ、居合わせた紳士たちを観察する
- ユリアン・マスタコーヴィチ 大切な客とされる名士。少女の持参金を胸算用する
- フィリップ・アレクセーイチ 舞踏会を開いた実業家
- 少女 十一歳。持参金は三十万ルーブリ
- 赤毛の少年 家庭教師の婦人の息子。少女と人形遊びをする
冒頭部(原文より)
二、三日前にわたしは結婚式を見た……いや! しかし、それよりまず降誕祭樹まつりの話をしよう。結婚式は立派なもので、大層気に入ったのだけれど、もう一つの話のほうが面白いのだ。
「クリスマスと結婚式」ドストエフスキー(青空文庫)
末尾部(原文より)
群衆の間では、花嫁が大した金持ちで、持参金が五十万ルーブリに、衣裳がこれこれしかじか……というような噂をしていた。「それにしても、胸算用が鮮やかにいったもんだな!」やっと往来へ出てから、わたしは心のうちでそう考えた。
「クリスマスと結婚式」ドストエフスキー(青空文庫)
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