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六羽の白鳥(グリム兄弟)のあらすじ・登場人物

白鳥になった六人の兄

  • 幻想
  • 翻訳

グリム兄弟 訳者 楠山正雄 1949年(昭和24年)2月

文字数
6,593字
読了目安
約13分
表記
新字新仮名

この作品について

グリム兄弟の『子どもと家庭のメルヒェン集』に1812年の初版から収められ、1819年の第2版で大きく書き改められた昔話(KHM49「Die sechs Schwäne」)を、楠山正雄が訳したもの(小峰書店『世界おとぎ文庫(グリム篇)森の小人』所収)。森で道に迷った王さまが、帰り道と引きかえに魔法つかいの老婆の娘を妃に迎えたことから、先の妃の七人の子どもたちに災いがふりかかる。白鳥に変えられた兄たちと末の妹をめぐる話は、アンデルセンの「野の白鳥」と同じ型の昔話としても知られる。

あらすじ

ある王さまが森で狩りをして道に迷い、魔法つかいの老婆に出口を教えてもらうかわりに、その娘を妃に迎える。王さまには先の妃との間に男の子六人と女の子一人がいたので、新しい妃から守るために森の奥の隠れた御殿に住まわせ、ふしぎなおだまきの糸を道しるべにして会いに通う。妃は家来を買収しておだまきを手に入れ、魔法をかけた白い絹の肌着を王子たちに投げかけて、六人を白鳥に変えてしまう。難を逃れた妹姫は、兄たちを捜して森をさまよい、山賊の隠れ家で、毎晩十五分だけ人の姿に戻る兄たちと再会する。魔法を解くには、六年のあいだ口をきかず笑わずに、えぞぎくの花で六枚の肌着を縫わなければならないと聞き、姫は木の上で黙々と縫いはじめる。やがて狩りに来たよその国の王さまが姫を見そめて妃にするが、意地の悪い王さまの母が、姫の生んだ子を三度さらい、姫の口に血をぬって人食いだと言いふらす。ものを言えない姫は弁明できず、火あぶりの刑を言いわたされる。刑の日は六年の期限が満ちる最後の日だった。舞いおりた六羽の白鳥に肌着を投げかけると兄たちは人間に戻ったが、片袖の間に合わなかった末の兄だけは背中に白鳥のつばさが残った。口をきけるようになった姫は無実を明かし、子どもたちも戻され、姑はかわりに火あぶりにされた。

登場人物

冒頭部(原文より)

 ある国の王さまが、大きな森のなかで、狩をしたことがありました。王さまは、一ぴきけものをみつけて、むちゅうで追って行きました。お供のけらい衆のうち、たれひとりあとにつづくことができないくらいでした。するうち日がくれかけて来たので、王さまは追うことはやめて、立ちどまったまま見まわしてみて、森にまよいこんだことがわかりました。どこか出る路はないかとさがしましたが、みつかりませんでした。ふとみると、むこうからひとりのばあさんが、あたまをゆすぶりゆすぶりやって来ました。これはただのばあさんではなくて、魔法つかいの女でした。

「六羽の白鳥」グリム兄弟(青空文庫)

末尾部(原文より)

 さて、肌着がからだにふれると、白鳥の皮はばらりとぬけおちて、おにいさまたちは、ちゃんとした人間の姿になって、そこに立ちました。そしてたれもわかわかしく、うつくしくみえました。ただいちばん下のおにいさまだけ、左の片袖がまにあわなくて、白鳥のつばさをまだせなかにくっつけていました。きょうだいたちはだきあって、せっぷんしました。お妃は、びっくりぎょうてんしている王さまの所へ行って、お話の口を切りました。 「おいとしい殿さま、わたくしはものが申せることになりました。そこで、はっきりと申しあげます。わたくしにつみはございません、ながいこと、あられもないぬれぎぬを着せられておりました。」  こう言って、お妃は、れいのばあさまのたくらみで、三人の子をかすめて、どこかにかくしてあるしだいを、くわしく話しました。ちょうどそこへ、お子さまたちがつれてこられたので、王さまのよろこびはたいへんなものでした。それで、いじわるい姑は、かわりに火あぶりの柱にいわえられて、やかれて灰になりました。  さて、王さまとお妃とは、六人のおにいさまたちとともども、末ながくしあわせに、なかむつまじくくらしました。

「六羽の白鳥」グリム兄弟(青空文庫)

原文を読む

原文は青空文庫で公開されています(アプリからも同じ本文をダウンロードして縦書きで読めます)。

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